カルロスゴーンによる2回目の日産救出劇だった
一見、悪人に見えて、実は善人だった!?
いろんなニュースを深読みしたら、ドラマチックに見えて来るかもw
後日、真相が明らかになるであろう、ゴーン氏逮捕の真実である。
今回のカルロスゴーン氏の逮捕劇は、帰国便が周到にカメラに撮影されるところから、歯切れのよい西川CEOの記者会見まで、非常によく準備された逮捕劇場であった。
金融商品取引法違反の逮捕ということだが、実態を見ていくと、専門家の間でも「逮捕するには軽すぎるのではないか?実態としてそこまでのものではないのではないか?」という意見が上がり始めている。有価証券報告書の虚偽記載をしていたとしても、日産側で源泉徴収をしているのだから、脱税にはなっておらず、ゴーン氏に大きなメリットが無いというのがその一つだ。
なぜ今なのか?
これは、ルノーと日産の経営統合問題が絡んでいることは間違いないだろう。過去の経営不振の影響から、日産の筆頭株主は、ルノーであり、また、ルノーの筆頭株主はフランス政府だ。ルノーが本腰を入れれば、日産がフランス政府の企業となってしまう可能性が強く存在しており、日産、三菱自動車、何より日本政府の長年の悩みの種であった。
この統合問題が2018年水面下で急速な進展及びターニングポイントを迎えていることは、定期的に報じられていた。
今回(いちおう)法律違反という立て付けで逮捕が行われたことで、日産および日本政府にとって、ルノーとの経営統合問題が有利になったことは間違いない。犯罪者をCEOとして任命していたフランス政府の責任論も出てくるだろう。
では、誰がこれを仕組んだのだろうか。
西川CEOだろうか。ルノーとの統合を憂い、西川CEOが特捜と手を組んで起こしたクーデターだろうか?
これが表向きにはしっくり来る。非常にしっくり来る。。。
しかし、何かが腑に落ちないのはなぜだろうか。
昨晩の会見では、西川CEOは、動揺のようなものがなく、覚悟を決めた節が感じられた。また、自身の経営責任を問われてもおかしくない中で、最初から最後まで徹底して、ゴーン体制を批判した。ゴーン体制への批判は、記者からの質問ではなく、自身の言葉から語られていたのも印象的だ。
( ゚д゚)ハッ!
ここで大きな仮説を一つ。
「実はゴーン氏には、日本企業としての日産を愛していたのではないか?それを守りたいと思っていたのではないか?」
そう。
これは、ゴーン氏が20年来の日産復活劇の最終章に用意した、2回目の救出劇だったのだ。
ゴーン氏は、フランス人としての矜持から、ルノー社を救いたいと思っていた、これも事実だと思う。しかし、ここにきて、フランス政府による統合圧力が非常に強まっていた。
事実ゴーン氏はこれまで何度も統合に対して否定的な態度を取っている。これは非常に不思議である。実務的な難しさはあれど、フランス人のゴーン氏が、ルノー社へ日産を統合したいと思ってもおかしくはなかった。ゴーン氏の態度次第では、すでに日産はフランス企業になっていたかもしれない。
では、単純に退任すればよいのだろうか。単純に退任すれば、フランス政府が統合推進派のCEOを送り込んでくることは目に見えている。
決断を迫られたゴーン氏は考えたことだろう。愛してしまった日産をどうやって救えばよいのか...
「自身が悪者になり、この場から退場すればどうか?」
犯罪者として解任をされたとすれば、フランス政府も強い立場には出られなくなる。日産側に交渉のカードが増えることは間違いない。
当面の統合が見送りになることは間違いないだろう。
...
こうして、西川CEO,特捜、日本政府、ゴーン氏による救出劇が行われたのである。
ゴーン氏よ、ありがとう!
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